夢をかなえるゾウ3

加糖
ー頑張ることをやめて気が付いた3つのことー

プロローグ

仕事や人間関係で問題が多発し疲弊し切っていた時に、どこかの何かで「悩んだときは好きか嫌いかで決めればいい」という言葉を知った。そんな単純なことで良かったのかと、安堵したのを覚えている。それは悩みを抱えがちな私にとって、まさに救いの言葉だった。

その時から「面倒だな」とか「恥ずかしいな」とか「合わないな」と思ったことは徹底的に避けていくようにした。それが苦痛にぶつからずに済む最善の方法だと信じて「好き」と「嫌い」に全選択権を委ね続けた。

なかなか爽快だった。これで私は完全なストレスフリー状態となり、「好き」だけに囲まれて幸せいっぱい、夢のような生き方だ。しかしその夢のような心地よさにも慣れてきた頃、頑張らないことに違和感を感じるようになった。私は本当に、こんな生き方を望んでいたのだろうか。

今回の読書録は「夢をかなえるゾウ3-ブラックガネーシャの教え-」から考える「頑張ることをやめて気が付いた3つのこと

頑張ることは気が進まないことだと判断して、徹底的に生活から排除し続けている私。それに対し本書の主人公は、己を奮い立たせて様々な試練を乗り越えていく。そんな主人公の姿を見て、私が抱いていた違和感の正体に気がついた。それは気が進まないことの中には、それを受け入れて勇気を持って立ち向かうべき時があるということだ。同時に、頑張ることには生き甲斐とも言える喜びがあったことを思い出させてくれた。そのことについて以下で詳しくまとめておく。「頑張りたくないな」と思った時に「やる」か「やらないか」を判断をするための支えになるだろう。

頑張ることをやめて気がついた3つのこと

「好き」と「嫌い」で全てを判断し、頑張ることをやめてみて以下の3つのことに気がついた。

頑張ることをやめて気がついた3つのこと
  1. 「頑張る」と「頑張らない」には使い分けが必要
  2. 頑張らないことで、逆にストレスが溜まってしまう
  3. 頑張ることは楽しかったし、頑張ってる自分が好きだった

「頑張る」と「頑張らない」には使い分けが必要

「頑張る」「頑張らない」は時と場合によって使い分ける必要がある。まずは「頑張らない」と判断するべき場面について。それは自分の持ちうる体力や精神の限界を超えてしまいそうなときだ。心身の健康が損なわれる前に、休息を優先した方がいい。そして自分の意思とは反することを強制させられている場合にも頑張る必要はない。我慢することは美徳ではないので、自分の意思を尊重して全力ダッシュで逃げるのが正しい選択だ。

次に「頑張る」と判断するべき場面について。それは夢や目標を達成するために努力が必要とされるときだ。好き嫌いの「好き」だけで選んでいると必ず「ラクな方」「簡単な方」「安全な方」へ進もうとしてしまうだろう。目先のことだけで考えればそちらの方が断然魅力的だからだ。好きなことだからこそ続けられるとか、好きなことじゃないと大成しないというのも同じく、受け取り方次第では「好きじゃないことは避けていこうね」に聞こえてしまうが、努力を避けていてばかりでは目指していたものはどんどん遠ざかり、いずれ見えなくなってしまう。夢や目標へ到達するまでに何の障害も無いはずがないのだから、大きな壁が立ちはだかったときはここが自分の成長する場面だと覚悟して、「頑張る」道を選ぶ必要があるだろう。

②頑張らないことで、逆にストレスが溜まってしまう

頑張らないことでストレスは無くせるだろうと思っていたが、意外にもストレスを溜め込むこととなった。理由は頑張らないと決めて避けていたことが、いつまでも後悔として頭に残り続けるからだ。

英会話は「私には合わない」と理由をつけて1ヶ月で辞めた。資格取得は「面倒くさい」と思ってパンフレットを閉じた。英語も資格も、人生で必須じゃないから頑張らなくて正解だと、一度頑張ろうと思った気持ちさえも否定して安心していた。しかしその安心の隙間で、諦めずにやってたらどうなっていただろうかとパラレルワールドに想いを馳せたり、自分が目指していた場所に他の誰かが到達している姿をみて嫉妬を覚えることが多くなっていった。心の中にモヤモヤが溜まり始めるのはこの辺りだ。そしてついに「続けていれば良かった」「面倒くさくても挑戦すれば良かった」と過ぎていってしまった貴重な時間を後悔するに至った。

頑張ることは確かにストレスであることは間違いない。快適な場所を抜け出して成長しようとしているのだから。しかし頑張ることが引き起こすストレスと、頑張らないことが引き起こすストレスとでは得られるものがまるで違う。前者は経験や精神力など未来に繋がるものを得られるが、後者は嫉妬や後悔という苦痛しか残らない。それなら、大変なのを覚悟して頑張る方を選びたいと私は思う。

③頑張ることは楽しかったし、頑張ってる自分が好きだった

頑張ることを避けるようになったことで一番大きく変わったことは、夢や目標を手放したことによって喜びや楽しみといった生き甲斐が無くなってしまったことだ。起きたい時間に起きて、食べたいものを食べて、見たいものを見て、休みたい時に休む。平凡で穏やかな毎日。こんな日々を過ごせることは贅沢で幸せなことだが、そこに私は生きる意味が見出せなかった。

頑張らないことにしているから、1日のおわりに食べるご褒美のアイスに特別感は無くなり、目標がないから、明日を生きる気力が減った。決して不幸ではないのだけど、ずっと薄暗い場所に座っているような気分だった。思い返せば、ダイエットでも試験勉強でも目標に向かっている時は活力がみなぎっていたし、望むような結果が出なくても前を向こうと足掻く自分自身のことを尊敬していた。頑張るということは私にさまざまなエネルギーを与えてくれていたのだ。

おわりに

頑張ることをやめて、私が本当に望んでいた生き方に気がつけた。それはラクに生きていくことではなく、楽しく生きていくこと。その楽しさとは、自らが動き経験や努力を通して生み出していける。私の人生において「頑張ること」はなくてはならない存在のようだ。

書籍の紹介

最後に、今回の読書録「頑張ることをやめて気が付いた3つのこと」を考えるきっかけとなった書籍を紹介する。

  • 書名:夢をかなえるゾウ3 ブラックガネーシャの教え
  • 著者名:水野敬也
  • 発行所:株式会社 文響社

本作では「商売」をメインとした教訓が詰め込まれており、「本来あるべき働く姿勢」や「仕事の本質とは何か」を教わった。夢や目標がある人はもちろん、働くすべての人が一度初心に戻って考えるといいテーマだと思う。

「夢をかなえるときに立ちはだかる痛みの対処法が知りたい」「自分の好きなことでお金儲けをすることに迷いがある」という人にもおすすめだ。

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加糖(かとう)
加糖(かとう)
フリーター
読書と考え事と甘いものが好きな人。
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