夢をかなえるゾウ2
ー自分の才能を見つける5つの方法ー
プロローグ
仕事をする上で一度はぶつかる「面接」という壁。特技や長所、学生時代にやり遂げたことなど、自分の「才能」を思う存分語り尽くし、会社にとっていかに有益な人間かをアピールする場面だ。しかし私は、「才能」の「さ」の字も感じられない平々凡々な人間。授業にほぼ毎日出席して、部活も人並みに頑張り、受験もとりあえずやってきたけれど、自信満々に「これが私の才能です!」と胸を張って言えるものがない。
「もしかして、自分には才能というものが存在しないのだろうか」
そんな、どうしようもならない焦燥感を抱えて、何度も絶望した。
今回の読書録は「夢をかなえるゾウ2〜ガネーシャと貧乏神〜」から考える、「自分の才能を見つける5つの方法」
本書は「夢をかなえるゾウ」シリーズの第二弾。前回からさらに神様勢が増えて騒がしさ増し増しで「夢をかなえる方法」を教えてくれる。夢や成功を語るうえで切っても切れない「才能問題」。私はこの本を読んで「才能」を見つけるヒントは意外と近くに転がっているということに気がついた。
「才能」は、漫画のように流れ星にぶつかって力に目覚めたり、超人から力を継承するといった、主人公だけが受け取れる特典ではなかったのだ。「才能」を見つける方法をいくつか知っておけば、もう怖いものはない。自信を持って自己アピールができるようになるだろうし、自分には才能が無いと焦ったり悲観することもなくなるだろう。
自分の才能を見つける5つの方法
「才能」は目に見えにくくて不確かなもの。そのため、無い無いと言いつつ、実は気がついていないだけで既に多くの「才能」を持っている場合がある。以下の5つの方法は、そんな見えなくなっている「才能」をハッキリとさせることができる。また、これから伸びてゆく可能性を秘めた発芽前の「才能」にも出会えるかもしれない。
- 自分にとっての当たり前からヒントを得る
- やりたいことをやってみてヒントを得る
- 好きなことからヒントを得る
- 大切な人を喜ばせる方法からヒントを得る
- 人から聞いてヒントを得る
①自分にとっての当たり前からヒントを得る
自分は当たり前にできることでも、他の人にとっては難しくてできないことがある。例えば電車の中でも、会社でも、ネットの中でも、家の中でも、自分以外の誰かに対して「もっとこうしたらいいのになぁ」と思ったことはないだろうか。もしくはお店やサービス、製品に対して「もっとこうなればいいのになぁ」と思ったり。それがまさに「才能」だ。自分にとっては「当然」だけど、他の人にとっては「できないこと・気づけないこと」。
当たり前だからこそ「こんな些細なことが才能?」と思うだろうし、否定したくなるかもしれない。しかし「こんな些細なこと」は必ず「誰かの役に立つこと」になる。否定して無いものにするのか、受け入れてどう活かすかを考えていくのかは自分次第だ。
②やりたいことをやってみてヒントを得る
少しでも「やってみたいな」と興味を持ったら、実際に行動してみるのがいい。色んなことを経験していくと、得意なこととそうでないことが明確に分かってくる。興味があるし知識もそれなりに持ってるけど全然上手くいかなかったり、興味はないけど成り行きでしていたことが意外と面白くてのめり込んでしまうなど、得意不得意の結果は自分の予想とは大きく違ったものになるかもしれない。それは行動しなければ分からないことだ。
また、行動の一つひとつから見つけた種類の違う「才能」を組み合わせるのも面白い挑戦だ。例えば「釣り×デザイン」「料理×文学」「ダンス×評論」など、一つだけだと趣味止まりなものも、全く別の物事を組み合わせることで自分だけの特別な「才能」にレベルアップできる。
③好きなことからヒントを得る
趣味があれば、そこから才能を探すのが近道だ。趣味がなければ、睡眠時間を削ってでもやってしまうことやお金を払ってでもやってしまうようなことから探すのがいいだろう。みんな大好き「睡眠」「お金」を超えてくるわけだから、相当「好き」なはず。はたまた、小学生の時に休み時間や放課後にやっていた遊びから見つけてみるのもいいかもしれない。誰に何と言われようが、どう思われようが関係なかったあの頃の自分が、心から「好き」だと思っていたこと。大人になった今でもその「好き」の片鱗は残っているかもしれない。少しでも心が揺れ動くものは、直接的なことではなくても「才能」に関係があるはずだ。
- 趣味は「絵を描くこと」
- 配色を考えるのが得意・構図を考えるのが得意・イメージを具現化するのが得意
- 休みの日はずっと「映画を見てる」
- 評論ができる・登場人物の気持ちに寄り添うことができる・映画について要約して誰かに分かりやすく伝える事ができる
- 子どもの時は「ゲームに夢中だった」
- 作戦を立てるのが得意・試行錯誤が得意
④大切な人を喜ばせる方法からヒントを得る
才能とは本来、就職するためや誰かに認められるために必要なものではなく、誰かを幸せにするために使うものだと思う。パンの妖精である彼が、お腹を空かせた人に自分の顔を分けて笑顔を生み出すように、自分の持っているもの(才能)を持っていない誰かのために使い喜んでもらうことがその「才能」を持った人の使命とも言える。
「才能」が分からないなら、まずは大切な人を喜ばせるてみること。そこから自分にしか出来ないことや得意なことが発見できるだろう。
- 親に温泉旅行をプレゼント
- リサーチ力がある・計画を立てて実行できる
- 偏食気味の恋人に手料理を振る舞う
- 健康に配慮できる・工夫ができる
- 残業中の職場の人にコーヒーを差し入れ
- 周囲への気遣いができる
⑤人から聞いてヒントを得る
自分ひとりでは気づけないことも、客観的な視点が加われば新たな発見ができる。「私の才能って何だと思う?」なんて友人にも恥ずかしくて聞けないという場合は統計学や心理学など、様々な観点から自己診断して、自分をデータ化してみるといいだろう。知識がなくても、本やインターネットを利用して簡単に調べることができるのが利点だ。
質問に答えていくことで自分の性格の型が分かるMBTI診断や、身近なものでいうと誕生日や星座、血液型などからも自分がどんな人間かをある程度把握することができる。そういったデータから自分の「才能」を知るのも一つの手だ。
- 1月生まれ…向上心がある。忍耐強い。共感力が高い。
- 2月生まれ…洞察力と直感力がある。想像力が豊か。
- 3月生まれ…コミュニケーション能力が高い。芯が強い。
- 4月生まれ…決断力がある。愛情深い。育てるのが得意。
- 5月生まれ…行動力がある。頭の回転が早い。集中力がある。
- 6月生まれ…好奇心旺盛で積極的。話し上手。
- 7月生まれ…優しい。協調性がある。包容力がある。
- 8月生まれ…社交的。話し上手、聞き上手。マメ。
- 9月生まれ…几帳面。丁寧。思いやりがある。
- 10月生まれ…正義感が強い。真面目で誠実。お洒落。
- 11月生まれ…洞察力がある。独立心がある。
- 12月生まれ…順応性が高い。冷静な判断力がある。
おわりに
「才能」は意外にも身近に、そして簡単に見つけることができる。非日常に繰り出したり、特別な試練を受ける必要はない。
そして自分にとっての宝物である「才能」は、一目見ただけで分かるものと、よーく観察していないと分からないものがあり、宝石のように形や色が違うためそれを上下で分けることも、数で比較することもできない。だから、あれがあるから良いとか、持っていないからダメだとか、そういうことに意識を置くのではなく、自分の持ちうる「才能」で、どのようにして人を喜ばせることができるのかを考えるのが大切だ。例えばそれは、一番身近な存在である自分を喜ばせる天才になったっていい。それも十分な才能だと思う。
色んな人と関わりたくさんの経験を経て、焦らずゆっくり自分の才能を見つけていこう。
書籍の紹介
最後に、今回の読書録「自分の才能を見つける5つの方法」を考えるきっかけとなった書籍を紹介する。
- 書名:夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神
- 著者名:水野敬也
- 発行所:株式会社 文響社
前作同様、ページを捲るたびに辛くて苦しい不安に苛まれながら、葛藤を覚え、破天荒な神々たちに笑かされ、そして泣いた。感情がジェットコースター状態。学ぶことも多い上に、ささやかな幸せを噛み締める事ができる本だ。
「お金がある人・ない人の違いが知りたい」「夢を叶える過程で抱く不安についての対処法を知りたい」という人にもおすすめしたい。