女は好きなことを仕事にする
ー行動できる人から学ぶ3つの考え方ー
プロローグ
私には趣味がたくさんある。読書、美術館めぐり、映画鑑賞。その世界に引き込まれて、自分でも文字を書き、絵を描いて、映像を制作した。娯楽として「好き」を楽しんでいるうちに、次第にこんなことを考えるようになりました。
私の感じた「好き」を仕事にできないかなぁ。
しかし、それがどれだけハードルの高いことかが、大人になる過程で分かってしまった。いや、頭の中で必死に分かろうとしているのだ。それなりの収入が得られる今のまま、たまに小さな贅沢をして、いつか好きなことを仕事にできたらいいなぁ…なんて楽しい妄想をしていれば、それはそれで幸せ。その道を進んだ先に待つ失敗や苦労に恐怖して目を背けてきた私は、それが「現実的で正しいことだ」と言いきかせてきた。
今日の読書録は「女は好きなことを仕事にする」から学ぶ、「行動できる人から学ぶ3つの考え方」。
本書の著者は、40歳を越えて雑貨のオリジナルブランドを立ち上げた。順風満帆の生活から足元の見えない挑戦に挑んだ著者から学んだのは、行動することがいかに大切かということ。妄想ばかりのブレーキ達人である私は、ハッとさせられることが多かった。そしてこの本を読んでいて「行動できる人」と「行動できない人(私)」には考え方に大きな違いがあると感じた。「行動できる人」の考え方を知れば、私もアクセルを踏めるようになるかもしれない。
行動できる人から学ぶ3つの考え方
「行動できる人」と「行動できない人」の考え方の違いは何なのか。まずは「行動できない人」の考え方から知っていこう。
- 「真面目が正しい」
- 「完璧でなくてはならない」
- 「現実をみないとダメだ」
①「真面目が正しい」
高校を卒業したら大学に進み、就職活動を乗り越えて正社員として働く。私はこれが正規ルートだと学生の時から教えられていたし、信じていた。本当は違う生き方がしたいんだけれど…と心の違和感を感じながらも世の中における誠実で真っ当な生き方という「正しさの概念」に縛られて、最終的には自分の理想を無かったことにしてしまうのだ。
②「完璧でなくてはならない」
私は過去にとにかく変わろうとして、かなり息巻いていたことがある。本や動画を参考にして4時に起きて朝活を始めたり、スケジュールを分単位で作成したり。しかしすぐに成果が出ないことにイライラし始め、おまけに疲れ果てて続かずで、結局前の自分に戻ってしまった。
今思えば、目標に対して自分に厳しすぎたのだ。完璧な計画を立てて、計画通りに進み、目標まで最短最速で到達することに夢を見過ぎた。目標は高く持っていてもいい。しかしそこに到達するまでの道のりは本当に小さな積み重ねの連続で、全てが完璧に上手くいくことはないのだと心得ておきたい。
③「現実をみないとダメだ」
好きなことを仕事にしたいと思った時に、まず初めに頭に浮かぶのがお金や家族や年齢のこと。やりたいことをやればいい、なんて簡単に言うけど、今の仕事を辞めるのは大きな決断だ。もしうまくいかなかったら?無収入が続いて貯金が尽きたら?はたまた負債を抱えてしまったら?…なんて考え出すと動けなくなってしまう。
現実をきちんと考慮できる人はとても賢いし、安全な道を選ぶことは決して悪いことではない。ただ、現実的になり過ぎると夢はどんどん遠ざかってしまうから、変わりたいと思った時には少し頭を柔らかくして考えるようにしたい。
「行動できない人」は「変わりたいけど変われなかった人」、つまり将来のことや周りのことを考えて自分とたくさん闘ってきた人なのだ。それはとても素晴らしいことではないだろうか。その長所も生かしつつ、次に出てくる「行動できる人の考え方」を参考にしていこう。
- 「やらないまま後悔したくない」
- 「とにかく楽しもう」
- 「失敗してもどうにかなる」
①「やらないまま後悔したくない」
やって後悔するか、やらなくて後悔するか。どちらか選ぶなら前者がいい。そう考える人が大半ではないだろうか。事切れる寸前にやっぱりやっておけばよかったなぁと嘆いてももう遅いし、現実的に生きるべきだよと教えてくれた人たちに、どうしてくれるんだと詰め寄っても責任を取ってくれない。大好きなことに一生懸命になれたなら、たとえ結果が思った通りにならなくても後悔はしない。行動できる人は「やってよかった」と言い切れる方を重視しているのだ。
②「とにかく楽しもう」
行動できる人は、成長することや努力することを楽しんでいるように思う。だから続けられるし、どんどんステップアップしていけるのだ。「続けなければいけない」「完璧にしなくてはいけない」という意識があると、重荷になって疲れてしまうしハードルが上がって進めなくなる。行動しようとした気持ちを、そこで潰えさせてしまうのは勿体無い。体に力が入り過ぎていると感じたら、行動できる人の「とにかく楽しもう」という意識を取り入れ、少し気持ちを楽にして挑むことが大切だ。
③「失敗してもどうにかなる」
行動できる人は怖いもの知らずで、失敗なんて意に介さない楽観主義者…というわけではない。彼女たちにももちろん失敗に対する不安は存在する。しかし「失敗したらもう終わりだ」と立ち止まるのではない。「失敗はするだろうから、どうにかしていこう」とその先を見据えて行動し続けるのだ。頑張っていれば必ず失敗はする。どれだけ対策をしていても、予想外のことは起きる。だったら、失敗するかもしれない未来を案じるより、失敗を最小限にするためにどう動くべきかを考えた方がいいだろう。
おわりに
何かに挑戦してみたいと思った時には「行動できる人に学びたい3つの考え方」で学んだように前向きに考える勇気が必要だ。守りの姿勢を大切にして生きていく人、攻めの姿勢を大切にして生きていく人、どちらかが正しくて悪いわけではないから、一方に偏り切らず、その時々で考え方を柔軟に変えていきたい。
書籍の紹介
最後に、今日の読書録「行動できる人から学ぶ3つの考え方」を学ぶきっかけとなった書籍を紹介する。
- 書名:女は好きなことを仕事にする
- 著者名:大原真樹
- 発行所:大和書房
著者の「好き」に対する愛情。自分の「これだ」と思った感情を大切にする姿に終始魅了された。こちらも読んでいて胸が熱くなった。また、本書のいいところは「上手くいかなかった時の話」を知る事ができる点だ。成功した人の失敗経験には成功方法以上の価値を感じる。
「自分の「好き」を誰かに提供してみたい」「ついつい出来ない理由ばかりを探してしまう」「好きなことを仕事にする上で大切にしている考えや働き方が知りたい」という人にもおすすめしたい。